「あなたの家を買いたい」チラシはほぼ嘘。不動産屋が売却案件に必死な理由

「買主がいます」の嘘。数万部チラシを配布しても1件の売却依頼で儲かる

自宅にこんなことが書かれてあるチラシが投函されていることがあります。

  • あなたのマンションを購入したいお客様がいます!予算4,500万円まで!
  • このマンションを4,000万円台で探しているお客様がいます!
  • このエリアの物件を5,000万円台で探しているお客様がいます!

この場合、そんな買主がいることはほとんどありません。このチラシを配布する不動産会社の目的は、「売主を探す」ことであって、決して「買主候補者をすぐに紹介する」ことではないのです。

「家を売りたいと思ってたところになんていい情報なんだ!」と思うかもしれませんが、不動産業者は頻繁にこういうチラシを配布しています(通称、「求む広告」「投げ込みチラシ」などと呼ばれます)。

数十万年かけて数万部を配布したとして、そのうち1件でも売却依頼が取れれば、仲介手数料で十分コスト回収ができるのです。

特にCMを流しているような大手不動産会社は頻繁にこのチラシを投げ込むことで有名です。「あの会社だから安心…」と思っていて痛い目にあったという実例も多くあります。

買主が本当にいるか確認する手段はない。言い訳はいくらでもできる

中には「買主様は転勤でお急ぎです。少々高くても購入検討します」と、相場よりも高い値段で売れるような雰囲気を出して問い合わせを促すものもあります。

そのチラシに騙されて、売却依頼をしてみたもののまったく売れない!ということもよくあります。

「買主様は駅近の別のマンションのご購入を決めてしまいまして…」「間取りがお気に召さなかったようで…」など、いくらでも言い訳ができます。

初めからそんな買主はいなかったのに、いかにも買主の気が変わったように誤魔化すことはいくらでもできてしまいます。「直接買主と話をさせてくれ!」と言っても「個人情報が…」などと言って、その存在を確認する術もありません。

さらに、痺れを切らしたころ「相場が下がってきておりまして、500万円値下げしませんか?すぐにお客様を見つけられます」と伝えられることになります。

結局、相場より安く売却することになり大損してしまうことになってしまうです…

真っ当な手段で売却する方が、安全で高値売却のチャンスが広がる

買い手がいるかどうか、はっきりとさせる手段はないことがわかりました。

ならば「本当にいるのかな…」とモヤモヤと考えることよりも、自宅を売るなら通常の売却手段を取った方が安全ですし高く売れるチャンスは広がります。

複数の不動産業者に査定依頼をしながら相場を知り、また同時に対応を見ながらあなたが信頼できると思う不動産会社に依頼すればいいのです。

もちろん、チラシを投函した仲介業者に声をかけてもいいでしょう。

しかし、その1社だけに依頼するのではなく、2社以上の複数の業者に自宅の売却を依頼する(一般媒介契約を結ぶ)ことをおすすめします。

「一般媒介でお願いします」と言ってもなお、1社にだけ依頼する「専任媒介」にこだわるようならお断りすることが無難でしょう。

「他社に頼んだので、そちらに買主を紹介してください」と言えばいい

ただ、中にはマンションやエリア限定で「このマンションの空きが出たらすぐに買う」と本当に買主が待っているケースもあります。

また、チラシを投函する業者が直ちに悪いというわけでもありません。

どうしても気になる場合には、「知り合いの不動産業者に売却依頼しました(します)ので、その業者にぜひ買主様をご紹介してください」と言ってみて反応をみるのも一案です

 

 

不動産取引の仕組みをご理解いただければわかりますが、どの不動産業者も物件情報を共有しています。チラシを投函した不動産会社に直接頼まなくても、その不動産会社が買主を紹介することはできるのです。

むしろ、不動産仲介業者によらずに不動産取引が活発になされるように国交省が仕組みを整えているのです。

そこで断ってくる場合には、そもそも買主がいたことが嘘だったか、または、(片手取引を嫌い)売主からも買主からも仲介手数料を得る「両手仲介」にこだわる悪質業者です。

 

 

なぜ売却案件を取りたいか?元付業者は不動産取引で“おいしい”立場

どうして不動産屋さんは「家を売りませんか?」としつこく営業をかけてくるのでしょうか。

もちろん、売れたら仲介手数料が入るからということがありますが、それ以上に元付仲介業者(売主側の不動産屋)という立場はいろいろと「おいしい」からなのです。

まず、元付業者になってREINSにさえ登録しておけば、(極論を言えば)なにもしなくても他の不動産会社が買主を見つけてくれます。そうすると、売主側から仲介手数料が入るのです。

客付仲介業者(買主側の不動産屋)の立場でいえば、自社で買主を見つけなければ報酬はゼロです。

でも、元付仲介業者は自社で買主を見つけなくとも、どこの会社でもいいので全国の不動産屋が買主を見つけてくれればそれだけで報酬を得られることになります。

さらに、自社で買主をみつけてくれば、売主からも買主からも仲介手数料が入るため、報酬が倍になります。儲けられるチャンスが広がっているのですね。

2社以上に売却依頼する(一般媒介契約)ことで元付業者の悪事を防げる

全ての買主候補者情報は、元付仲介業者を通じて売主に伝えられます。売主はすべての買主情報を得られる立場にあります。

すると、もし元付仲介業者が(自分たちで買主を見つけることにこだわる)「囲い込み」を行って、勝手に買主のオファーを断っても嘘をつかれれば見抜くことができません。

 

 

また、「放置してても客付業者が買主を見つけてくれる」と販売活動を積極的に行わないケースもあるかもしれません。少々不安になりますね。

だからこそ、最も有効な自衛手段は元付業者を2社以上にしておくことです。複数の業者に売却依頼をしておくのです。

 

 

そうすることで、元付仲介業者同士で競争が働きます。嘘をついてももう1社の元付仲介業者(売主側の不動産会社)に問い合わせればバレますので、嘘を付けなくなります。

元付業者が複数いれば、A社もB社も「客付業者が自社に問合せをしてくれないと報酬がゼロになる…」と緊張感をもって積極的に販売活動に力を入れてくれるでしょう。

不動産会社を1社だけ選ぶと大損?!家を売るなら2社に依頼すべき理由

1社だけの専任媒介にこだわる不動産屋は避ける。大きなデメリットなし!

不動産会社の中には、「うちは、売却依頼を1社に限定する(専属)専任媒介契約でないと、売却のご依頼を受け付けておりません」という業者もあるでしょう。

その場合には、その業者をお断りして他社に任せることをおすすめします。

基本的に、REINSに登録してくれさえすれば、全国の不動産会社が販売活動をしてくれます。大きなデメリットはありません。

それよりも、その業者に任せてしまって本当はもっと高く売れていたのに「囲い込み」のせいで500万円も安く叩き売られた…となる方がよっぽど損してしまいます。

少し話がそれましたが、「買主がいます」といったチラシの裏にあるのは、「買主を紹介する」ことが目的ではなく「売却案件をもらう(元付業者のポジションになりたい)」ということが目的です。

チラシや営業トークに関わらず、大切なご自宅という資産を売却する時には真っ当な手段で売却しましょう!

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「売却が初めてで、なにをすればいいのかサッパリ分からない」といったご相談も大歓迎です。

小さなお子さまがいらっしゃる場合などは、ご自宅や周辺の喫茶店などでの出張個別相談も可能(原則、都内)!過去のご相談内容は例えば…





自宅の売り方を一から丁寧に教えて欲しい
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