個人への売却と不動産業者の買取、どっちがいい?それぞれのメリットは?

個人買主へ売るか、買取再販業者の買取か、どっちを選べばいい?

家を売る時、一般の個人に売却するケースと、不動産会社に売却するケースの2種類があります。

個人に売却する場合は、不動産会社が「仲介」をして売主と買主を結びつけます。一方で、業者が買主となる「買取」の場合には、不動産会社へ直接売却します。

どちらにもメリット・デメリットがあります。また、仲介に向いている家と買取に向いている家の特徴もそれぞれ異なります。

ほとんどの場合には、個人への売却が行われます。その方が高く売れるためです。

しかし業者買取の方が適する場合もあり、多くのメリットもあります。ここではそれぞれの利点・欠点をみていきましょう。

【個人買主への売却メリット】業者買取よりも、高い金額で売れやすい!

買主が個人である場合、それは買主が最終消費者であるということです。自分で使うために買うということですね。

一方で、業者が買い取る場合には、買い取った後に結局個人の買主に転売します。売主⇒個人となるか、売主⇒業者⇒個人となるかの違いですね。

一時的に保有する業者は最終的に個人買主に売却しなければならないため、物件を安く仕入れる必要があります。購入した価格に自社利益を上乗せして個人に転売するためです。

つまり、個人へ直接売却する方が、高く売れる(利益が取れる)ということです。

業者の買取と比べた時の最大のメリットは、この点につきます。高い金額で売れやすいのです。

業者は右から左へ転売するわけではない。リノベでバリューアップする

注意したいのは、買取専門の不動産業者は、なにも右から左に物件を流す(安く仕入れて高く売る)ことでオイシイ思いをしているわけではありません。

多くの場合に買い取り業者は、安く仕入れた物件に、コストパフォーマンス(費用対効果)の高いリフォーム・リノベーションを施して、物件に価値を付けて個人の買主に売却します。

イメージとしては、相場価格が3,000万円の中古マンションであれば、2,000万円~2,400万円で買い取り、300万円の費用をかけてフルリノベーションします。

その物件に、自社利益300万円などを上乗せして、3,300万円くらいで売り出します。

300万円の費用といっても、設備の大量仕入れや自社施工(原価での施工)など、徹底的にコスト削減を行ったリノベーションを実施します。同じ工事を個人が行えば500万円はかかるイメージです。

つまり、業者は個人が自分でリノベするよりはるかに安くバリューアップできるため「買取再販は業者の利益が載ってるから割高だ」というのは全ての物件に当てはまるわけではないのですね。

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【業者買取のメリット】手間暇がかからず、短時間でお金が手に入る!

業者買取の場合は、どうしても相場より安く売却せざるを得ないケースがほとんどです。

物件にもよりますが、個人買主に売却する場合(相場)に比べて「70~80%」の価格で買い取られることが多いようです。

安く売却するというデメリットはありますが、業者買取の場合には、その他の点でたくさんのメリットがあるのも事実です。

不動産取引のプロである業者が買主になるということは、個人に比べて「融通がとても利く」という特徴があります。具体的には以下でみていきましょう。

すぐに売れる。即断即決で住宅ローン審査もなく、数日で現金化できることも

個人の買主は、物件を買うかどうか時間をかけて悩みます。通常、売却活動を開始して買付申込書(購入証明書)をもらうまでに1~3カ月程度はかかります。

そして契約できたとしても、ほとんどの場合に個人買主は住宅ローンを組みます。契約できても、決済(引き渡し)までに住宅ローンの本審査を行う必要があります。

結局、売却活動を開始してから現金化できるまでに、2カ月~5カ月程度はかかります。もちろん、売れない物件であればもっとかかり、1年以上売れ残るケースもあります。

一方、業者の場合には不動産業者(買主)を探すのは容易です。そして即断即決です。

さらに、現金一括で購入することも多く、ローンも既に取引銀行があり、即座に融資できる体制が整っています(そもそも住宅ローンではなく事業融資です)。最短で数日あれば、契約・決済が終わり現金化できます。

早く自宅を売却して急いで現金を手にしたい場合には、業者買取は強い味方となります。

内覧の手間がほぼかからない。清掃や立会時間の調整もほとんど不要

自宅を売却する時、「売れたら引っ越そう」という方は多いものです。居住中のまま売り出すのです。

そうすると、個人の買主候補者が10組いれば、10回の内覧に対応しなければなりません。

内覧希望者が現れるたび、スケジュールを調整し、その前に家の中を清掃し、内覧中はずっと自宅にいなければならず、不動産会社や買主など知らない人の対応をします。

これを、何度も何度も繰り返すのです。かなりの手間がかかり時間も取られます。人によっては精神的な負担も大きく、ストレスになるようです。

一方で、業者に売却する場合、内覧は一度で済みます(複数社に依頼する場合にはその数だけ)。しかも、相手は基本的に売主さんの都合に合わせて訪問してくれます。

先の見えない買主ではなく、自分でコントロールできるためストレスも少なくて済みます。業者買取には、大きく手間を省けるメリットがあるのですね。

近所や知り合いに知られることなく、こっそり売却できる

個人の買主を見つけるということは、自宅を売却していることを広く周知しなければなりません。

もちろん、不特定多数がアクセスできるインターネットの物件情報サイトに載せないことはできますが、買主が絞られてしまいます。

また、REINSだけに登録して不動産会社に来店したお客さんにだけ紹介する方法もありますが、近隣の方が家を買おうとして不動産会社に来店した場合にはバレることもあります。

内覧(内見)も必要ですので、何度もいろんな人が出入りすれば、近所からは「あの家は売りに出しているんだな」と感づかれてしまいます。完全に知られない方法で、個人に家を売るのは至難の業なのです。

しかし、業者が買い取る場合にはこっそり売却できます。内覧も1度で終わり感づかれるリスクは小さいです。

万が一近隣の住民に見られても、スーツを着たスタッフが来ますので理由はいくらでも作れます。周りに売られていることを絶対に知られたくないケースでは、業者買取が適しています。

立地が良ければ、ボロ物件でもそのまま買い取ってくれる

自宅の立地は悪くないけど、建物(内装)が既にボロボロ…という場合、個人の買主は購入を見送ることが多いものです。

購入後にリフォームをしたらいいのですが、まずリフォーム費用がいくらかかるのか予想が付きません。また、追加工事が必要になるかもしれません。

そもそも、個人の方は直接目に見える部分がボロボロであれば「他にも欠陥や不具合がありそう」「住むイメージが湧かない」「まずは他の物件をみよう」といった具合に、その物件を冷静に判断しようとしません。

一方で、不動産買取業者は、中古物件を再生させるプロです。築古物件や訳あり物件でも、冷静に評価します。

費用対効果の高い最適なリノベーションを行うことに強みがあり、目に見える内装部分が劣化していても補修後どうなるか、という想像を働かせて適正に評価してくれます。

内覧時にも清掃しなくても構いません。また、残置物を残しても処分してくれるところがほとんどです。立地はいいけど、そのままでは個人買主に適正評価されない物件は業者買取も一案ですね。

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瑕疵担保責任が免除されるため、売却後にトラブルが発生しない

個人に売る場合、売主が個人・買主も個人ということで、お互い同じ立場です。

売買契約が成立し、決済・引き渡しも完了した後に「家に雨漏りやシロアリが見つかった!」「給排水管が壊れた!」となったら、買主は「売主さんの費用で補修してください」と言ってきます。

これは、瑕疵担保責任というもので、隠れた欠陥が後で見つかった場合には売主が責任を持って対応しなければなりません。通常、個人間での取引であれば「2週間~3カ月程度」の瑕疵担保責任をつけます。

契約書にあらかじめ「瑕疵担保は免責する」と特約を付けることもできますが、売主が頑なに「瑕疵担保責任は負わない!」と言い張れば「物件に欠陥があるのだろうか…」と買主が疑い、契約が破棄されかねません。

一方、業者が買主となる買取では、売主が個人・買主が業者(プロ)です。買い取り業者は、物件の内見(内覧)や調査を不動産のプロとして行います。

瑕疵の有無もある程度目安がつけられる能力がありますし、欠陥が見つかっても自分で対応できます。なにより、価格を安くして仕入れるためある程度リスクを負ってくれます。

ですので、業者買取の場合には多くの場合、瑕疵担保責任は免除して売却できます。ボロ物件を売却する場合など、「売った後にトラブルとなったら嫌だな…」と不安な場合には、業者へ売却するのも一つの手です。

売主の事情や売却物件の特徴によって、個人買主か業者買取かを使い分ける

個人の買主は、買った不動産を自分で使いますし、そもそも不動産取引に慣れていません。

購入の決断をするまでに時間をかけて悩み考えます。契約をした後も、住宅ローンの審査にまた時間がかかります。早くても現金化するまで3カ月はかかります。

時間という点以外にも、内覧を何度も行うことになりますので、事前に掃除をしたり内覧時には立ち合いを行うことになります。

さらに、売れない場合にはずっとヤキモキしながら待たなくてはなりませんし、必要に応じて、不動産屋さんと売却価格を下げることなどを相談・打合せします。

一方で、不動産業者の買取であればそういった手間暇がかかりません。一発で決められますし、契約から決済までも非常に短期間に終わります。

また、買い取り業者は物件をリノベして再生するノウハウを持っています。ボロ物件でそのままでは個人買主を見つけられない場合など、買取に向く物件もあります。

高く売れるけど手間のかかる個人への売却と、安くなるけどすぐに現金化できる業者買取。売主様のご事情や、物件の特徴によって、使い分けてみてくださいね。

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