家を高く早く売るなら、インスペクション×瑕疵保険で買主の不安を払拭!

「いい家だ」と思っているのは売主だけ?!買主は「欠陥ないの?」と不安

家を高く早く売りたいと思う時、一番に考えたいのは買主の気持ちです。

自宅は今まで売主が住んで使い続けてきた中古住宅です。売主側の気持ちとしては、「我が家はとても住みやすく素晴らしく良い家だ」と考えたくなるかもしれません。

ただ、買主はあなたの家を初めて見ます。これまでどう使ってきたのか、家に欠陥はないのか…ということに対して、買主は強い不安を覚えてしまうのです。

ですので、自宅の魅力を伝えるとともに、買主の不安を和らげなければなりません。

水廻り設備の汚れはまだOK。NGなのは住宅の機能が損なわれている不具合

買主が最も不安となるものの一つが、建物の安全性です。しかも目に見えづらい部分です。

例えばキッチンやお風呂、トイレなど水回りが汚れている、といったことは経年劣化として当たり前のこととして受け止められることが多いです。住宅の機能としては問題ないですし、設備交換すれば解決できることです。

問題となるのが、雨漏りやシロアリ、給排水管の故障、家の傾きなど、住宅の機能が損なわれているケースです。

しかも、こういった事象はパッと見ただけでは気が付きにくいものです。住んでみて初めて分かるというケースも少なくありません。

だから中古物件の場合には、買主は「この家に欠陥があったらどうしよう。今は問題ないようだけど、3年後に不具合が出てきたら…不安だなあ」と警戒するのです。

建築士の専門的な建物調査「インスペクション」で家の重要部分を確認!

これらの不安を払拭する制度が「インスペクション」(建物状況調査)です。

インスペクションとは建築士が建物の調査を行うことです。目視や通水、赤外線センサーなどを使って、建物のプロである建築士が建物の状況を調査します。

まだ「インスペクション」という言葉は一般にはなじみが薄いかもしれません。

 

【出典】あんしん既存住宅売買瑕疵保険とは(株式会社住宅あんしん保証)

 

ただ、宅建業法も改正され、2018年4月からは仲介業者がインスペクションを行う検査業者をあっせんできるかどうか明示しなければならなくなっています。今後はこの言葉に触れる機会も増えてくるでしょう。

「うちはこれまでとても綺麗に使ってきましたよ!」と売主から口頭で伝えられるのと、「建築士の調査(インスペクション)に合格した家です」というのは、買主に対する安心感が全く違います。

それだけで、(建物調査をしていない)他の売り物件に比べて随分有利に売却できることになります。

買主からのインスペクション依頼には喜んで了解する。購入意欲が強い証拠

インスペクションは、売主がやっても買主がやっても構いません。

買主から「買う前に建築士の建物調査をさせてください」といわれることも今後増えてくるでしょう。この時、「欠陥が見つかったらどうしよう…」と申し出を断りたい気持ちになるかもしれません。

でもその提案はチャンスです。断ることは極力避けましょう。

そもそも、買主が自己負担でインスペクションをやりたいと言ってくるのは「この物件を買いたい」と強く考えている時です。不安だから念のためチェックしたいという心理状況です。

また、インスペクションは「建物に不具合がないことを確認するもの」ではなく、「建物の安全性を満たす是正工事にはいくらかかるのか?」をあぶり出すものです。

「なるほど50万円で安全な建物になるのね」となれば、買主は購入の決断をすることも十分考えられます。積極的にOKを出しましょう。

インスペクションは完璧ではない。だから「既存住宅売買瑕疵保険」

インスペクションは「非破壊検査」です。家を壊さず、目視や検査器具を使って間接的に建築士が調査するものです。

つまり、隅々まで完璧に家の状態を把握できるものではないということです。インスペクションに合格した家でも、住んでいるうちに不具合が見つかるかもしれません。

そのため、万が一に備え、最長5年間・最大1,000万円保証してくれる保険「既存住宅売買瑕疵保険」が用意されています。

 

【出展】保険の仕組み:売主が個人間同士による売買の場合(一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会)

 

この瑕疵保険は、インスペクションで問題がないとされた家(または、指摘事項をきちんと修繕した家)でないと入ることができない保険です。

「この物件は、既存住宅売買瑕疵保険に加入しています」というだけで、「なるほど、この家は建築士の調査に合格し、さらに買った後に不具合が見つかっても保証される家なんだ」と理解されます。

「インスペクション」×「瑕疵保険」によって、客観的に買主に建物の安全性を訴えることができ、「安心して帰る家」という魅力を伝えることができるのです。

費用負担が難しいなら「瑕疵保険に加入できる家」とするのもいい

インスペクションをする費用は5~10万円程度、既存住宅売買瑕疵保険に加入するには(㎡数など家の条件にもよりますが)さらに5万円程度かかります。

そしてこれらの費用は買主・売主どちらが負担してもOKです。売買代金で調整することもあります。

もし費用負担を懸念される場合には、例えばインスペクションまでは実施し、検査に合格した上で「瑕疵保険に加入できる物件です」(現在加入はしていない)と広告することも一案でしょう。

そうすることで、住宅としては問題ないことが示せるとともに、瑕疵保険に加入するかどうかは買主の判断に委ねられます。

買主が「今現在は大きな欠陥が見つかっていない。でも今後住むうえで万が一が怖いなあ」と思えば、瑕疵保険に加入することができ安心です。

売主としても、買主の費用で瑕疵保険に加入することになりますので、出費を省くことができますね。

買主に言われてからインスペクションをすると値下げ交渉のリスクもある

インスペクションについては、(費用負担に問題なければ)買主から言われる前に、売主側で実施しておくことが望ましいといえます。

インスペクションを実施し問題ない家ということを客観的に周知でき、他の物件の差別化に繋がり売却しやすい家になります。

また、買主から「購入前提で検討しているが、インスペクションだけやらせて欲しい」と言われてから、「じゃあ買主さんの費用で実施するなら建物調査をしていいですよ」と答えたとします。

もしその結果インスペクションを実施し、いくつか指摘事項が判明し、それらを修繕する(是正する)ために50万円かかることが分かったとします。

そうすると、買主側から「売買価格から50万円値下げしてくれないか」と値下げ(指値)交渉が入る可能性があります。後から判明した事実は、買主側として価格交渉の材料としやすいのです。

初めに建物調査すると、値下げ交渉を突っぱねられる。売出価格も有利に決定

「売主さんは、建物の欠陥の事実を知らずに3,500万円という値付けをしたんですよね?今初めて判明したので、その分値下げしてくれませんか?」という理論です。

50万円まるまるではなく、折半という交渉になるかもしれませんがいずれにしても、やや弱い立場になってしまう可能性があります。

初めから建築士による専門的な調査を実施することで、売り物件として優位になり、かつ、それを知った上で価格設定できるため、やるなら初めから実施しておきたいものです。

初めにやろうが後からやろうが、50万円の是正工事費用が必要ということは変わりません。

ただ、是正工事も実施した上で売り出すなら「瑕疵保険加入が可能な物件」というプレミアム感を出すことができ、工事費用も回収できる値段で「3,580万円」など強気の価格設定もできます。

また、是正工事代金の捻出が難しい場合には「インスペクション指摘事項あり(是正工事費50万円)」という表記で売り出すことも考えられます。初めから調査していることで誠実な姿勢が買主側に伝わり、印象も大きく変わることが期待されます。

安心R住宅でも瑕疵保険は必須要件!リフォーム履歴も残せば価格防衛に

買主側としては、中古の建物の状態というのはとても不安に思うものです。その不安を解消する方法として、インスペクションや瑕疵保険という方法をご紹介しました。

国が安全な中古住宅にお墨付きを与える「安心R住宅」制度というものも2018年4月から始まっています。その認定を受ける要件に一つに「既存住宅売買瑕疵保険に加入できる家であること」というものがあります。

国としても、インスペクションや瑕疵保険を重視しているということです。今後、ますますこれらが買主にも周知されていくでしょう。

その他にも、例えばこれまでどんなリフォームを行ってきたかということも重要な資料になります。客観的な修繕履歴を示せば価格防衛にも繋がります。

これまで、どれくらいの費用をかけ、具体的に何をしたか(キッチン交換やクロス張り替え、フローリング補修、外壁・屋根補修…)をまとめておくとそれだけで価値になるのです。

できれば、リフォーム会社からもらった請求書や領収書などを保管し整理しておきましょう。まずは買主の不安を払しょくすること、これが早く高く売るための第一歩です。

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